産後不眠からの脱出

1カ月半続いた地獄の産後不眠から脱出した記録

5 睡眠専門の心療内科(A病院)への受診

予約不要のB病院を受診した3日後、キャンセル待ちで予約していたA病院の空きが奇跡的に出た。台風で電車が止まり、来られなくなった初診の患者さんがいらしたのだ。これは奇跡だった。通常、この病院の初診は何ヶ月も先になると聞いていた。それがこんなに早く受診できるなんて。私が回復したのは、この病院の医師と出会えたからだ。初診での診断は、「適応障害かな?」とのことだった。後に、「精神生理性不眠症」という診断となった。うつ病ではないそうだ。こちらの医師は依存性のある薬に慎重だった。薬の依存性を極端に怖れていた自分には、この医師の処方は合っていた。初診時、抗精神病薬であるセロクエルが、睡眠を促すために処方された。睡眠薬ではなく眠気のでる抗精神病薬を処方するのは、先生がよく使うテクニックのようだった。ベンゾジアゼピン睡眠薬などと比べ、依存性が少ないからだろう。ところが、最小量の薬では、私にはあまり効果がなかった。相変わらずほとんど眠れない日々が続いた。不眠が始まって2週間が経過しようとしていた。