産後不眠からの脱出

1カ月半続いた地獄の産後不眠から脱出した記録

番外編1 心療内科・精神科の世界

産後不眠についての更新は一旦きりがついたが、番外編をいくつか更新したいと思う。

まずは、心療内科・精神科の世界について紹介したい。これまで30年以上生きてきて、無縁だった世界である。受診する前と受診した後で印象は変化した。

受診する前は偏見があったし、どの心療内科・精神科も怖い場所だと思っていた。受診することにも抵抗があった。

私は予約不要で最初に受診したB病院と、その後かかりつけとして通院したA病院の2つの病院に行ったことがあるのだが、それぞれどんなところだったか紹介する。共通して、初診では生い立ちや家族構成、学歴、職歴等、非常に細かくヒアリングされた。

それぞれの病院に対する印象は対照的であった。

~予約不要のB病院~

・いかにも精神科という感じの暗くて古い病院。

・入院施設もあり、重症の方が多い印象で、見るからに異様な方(ブツブツ独り言を言っている方・リストカットの跡だらけの若者・怒鳴っている方・落ち着きのない方)がいた。

・薬の副作用が強くて病院に駆け込んでいるような人が何人かいて、診察室で副作用を和らげるための注射をしてもらっている人がいた。相当な量の薬を飲んでいるのだろうと察した。

・自分の診察中に看護師が診察室に駆け込んできて、「(入院中の)○○さんが暴れていますがどうしますか?」と医師に聞いてくる場面があった。医師は「保護室に連れて行って」と答えており、とても怖かった。入院している方はもっと重症なのかもしれない。「保護室ってなんだろう…縛ったりするのかな…。」と、本当に怖くなった。

ベンゾジアゼピン系の薬を抵抗なく処方してくる。依存性のない薬をお願いしたにも関わらず、よりによってデパスソラナックスを処方されるという謎。

・薬の依存性が怖いと訴えても、「ビール一杯の方がよっぽど依存するから大丈夫。」と取り合ってもくれない。

・すぐに「この病院に通っても治らない。」と悟る。

~かかりつけとして通院することになったA病院~

・新しく、綺麗で清潔感のあるクリニック。

・内科や歯科等のクリニックとさほど変わらないような雰囲気。

・入院施設もなく、軽症な方が多い印象で、待合室でも異様な雰囲気の方はあまりいなかった。

・人気があるのか、予約が取りにくく、待ち時間も長い。

・医師は物腰柔らかく、自分の希望をなるべく尊重した処方をしてくれる。試したい薬があったら、何日分かを試しに処方するなど、柔軟に対応してくれた。

ベンゾジアゼピン系などの依存性のある薬に極めて慎重で、極力それらを処方しない方針。

・不眠の場合、睡眠薬睡眠導入剤を処方するのがオーソドックスだと思われるが、依存性の問題等を考慮してか、抗精神病薬であるジプレキサセロクエルの処方を行うのが医師のよく使うテクニックのようだった。

・不眠の認知行動療法のセッションや心理カウンセリングが受けられるなど、薬以外の治療方法も用意されていた。

~まとめ~

B病院は、私の想像していた感じの精神科病院だった。対して、A病院は、想像とは逆のクリニックで、通いやすく、居心地も悪くなかった。処方に関する考えも、A病院とB病院では全く違った。病院によって全然違うのだなと思った。良い病院で診てもらえるかどうかが、運命の分かれ道ではないかと思う。敷居が高いと思わず、本当に困ったときには、勇気を出して受診するのが良いと思う。ただし、受診が必要な状態に陥ってから病院を探すのは、非常に難しい。だから、元気な時に、地域の精神科・心療内科の口コミ等をよく調べておき、メンタルの不調をきたしたときに受診するクリニックを決めておくことをオススメしたい。また、地域にもよると思うが、初診の予約が取れるのは1~2週間後なので、どん底に陥る前に、早めに予約をとっておくこともオススメだ。

自分は病院に行っていなかったら、おそらく治っていないだろうと思う。薬に抵抗があった私としては飲みたくなかったけれど、眠れるようになったのは薬の効果も大きいと思う。薬については、また番外編で詳細を更新したいと思う。