産後不眠からの脱出

1カ月半続いた地獄の産後不眠から脱出した記録

番外編3 産後不眠中のおかしな思考回路について

今回は、産後不眠に陥った1ヵ月半における、私のおかしな思考回路について、少し紹介したいと思う。その期間、私はまさに「心ここにあらず」な状態であった。どうゆうことかと言えば、過去や未来のことばかり考えていて、一番大切な「今現在」のことを、ほとんど考えられなかった。具体的には、以下のようなことをグルグル考えていた。

~自分を責める思考~

・今まで親や夫に迷惑をかけてきたから罰が当たったんだ

・今まで自分勝手だったから罰が当たったんだ、こんなことになったのは自分のせいだ

・こんな状態で家事も育児もできない自分なんてただのお荷物だ、いなくなるべきだ

・子供たちと全然遊べてないし、相手をしてあげられないなんて、最低な母親だ

~未来を悲観する思考~

・これからも眠れないに違いない、むしろもっと眠れなくなる気がする

・(仕事復帰まで1年以上もあるにもかかわらず)復帰できなかったらどうしよう、職場のみんなに不眠のことや心療内科に通っていることがばれたらどうしよう

・このまま薬漬けになって、廃人のようになってしまったらどうしよう

・こんな状態で2人の子育てができるはずない、こんな母親に育てられたら子供たちは不幸になるのではないか、離婚するべきなのだろうか

 

とにかく、過去や未来のことばかり考えて、今現在に意識が向いていなかったように思う。今思えば、色々な書籍にも書いてあるように、「今ここ」を充実させること、「今ここ」に集中することが最も大事であって、その積み重ねがより良い人生へつながるのに、本当に悪い思考回路だったと思う。今はそう思えるけれど、当時はとことんマイナス思考で、そんなことしか考えられなかったのだ。

認知行動療法の書籍をいくつか読んだが、つらさの原因は「悪い考え方のくせ」(認知のゆがみ)によるものであり、メンタル不調に陥った時には特にそのくせが出やすいらしい。悪い考え方のくせは10種類あるのだが、私はそのうちの1つである「結論の飛躍‐先読みの誤り(例:この状況は悪くなるに違いない、この病気は決して治らない等)」がぴったり当てはまった。だから、この先ずっと不眠に違いないとか、この先もずっと薬を飲むに違いない、なんてことばかり考えていた。

不眠やうつなど、メンタル不調に陥っているときの思考回路は、多くの人がおかしなことになるのではないかと思う。私は不眠の時グルグル考えてしまったが、無駄な考え事だったと思う。ろくなことを考えられない状態なのだから、なるべく何も考えない方が良い。そうゆう時は、考えれば考えるほど、苦しくなる。「悪い考え方のくせ」が活性化して、その考え方がさらに状況を悪化させる。当然、そんな時に大事な決断や判断はしない方がいいし、とにかく「今ここ」だけを考えるようにした方が良いと思う。

不調に陥ってからではなく、そうなる前に認知行動療法などの書籍を読み、どんな悪い考え方の癖が存在するのか、そういった考え方を改めるにはどうしたらよいか、知っておいた方が良いと思う。私は「悪い考え方のくせ」の存在を知ってからは、そのくせが出た時には他の考え方ができないか、考えることができるようになった。自分の「悪い考え方のくせ」については、普段から意識しておくと良いと思う。